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【開催報告】PIERS 2025 Chiba


千葉から世界へ、先端科学と国際交流の力を発信

 2025年11月5日(水)から9日(日)までの5日間、幕張メッセ国際会議場において、「フォトニクス・電磁波工学研究に関するシンポジウム(PIERS 2025 Chiba)」が開催されました。光・電磁波分野において世界最大規模を誇る本会議には、47カ国から1,600名を超える研究者・技術者が参加し、そのうち海外からの参加者は約1,300名に達しました。幕張メッセを舞台に国際色豊かな学術交流と活発な議論が展開され、千葉で開催された国際会議として特筆すべき成果を収めました。また、本会議の開催に伴う経済波及効果は約3億7,600万円と試算され、宿泊、交通、飲食等を通じて地域経済にも大きな恩恵をもたらしました。
 開会式には天皇陛下がご臨席され、「光と電磁波は、医療、通信、防災、エネルギーなど、現代社会の幅広い分野を支える不可欠な技術である」とのお言葉を述べられました。さらに、「国や文化を越えて専門家が集い、共通の課題に向けて議論を深めることは、持続可能な未来の創造につながる」と強調され、国際連携と学術交流が果たす役割に深い理解を示されました。最後には英語で参加者を激励され、会場は深い感銘と敬意に包まれました。

 PIERSは1989年に米国ボストンで初めて開催された国際会議で、以来、毎年1〜2回開催され、今回で第47回目を迎えました。日本での開催は7年ぶり4回目となり、天皇陛下のご臨席は本会議史上初めてのことです。(一社)電子情報通信学会、日本学術会議、電磁波工学アカデミーの共催によるこの歴史的な国際会議が千葉で開催されたことは、国内外から大きな注目を集め、高く評価されました。
 また、開会式には鈴木隼人内閣府副大臣をはじめ、熊谷俊人千葉県知事、神谷俊一千葉市長等の関係者が登壇し、いずれも英語で歓迎のメッセージを発信されました。成田・羽田両空港からの優れたアクセス、幕張メッセの充実した施設機能、そして千葉県・千葉市をはじめとする行政機関や関係団体が一体となった受入体制など、千葉のMICE都市としての総合力を、国内外の参加者に強く印象づけました。
 会期中には、学術プログラムに加え、日本文化を体感いただく文化体験プログラムとして浦安の屋形船クルーズを実施しました。当財団および浦安観光コンベンション協会の協力のもと、浦安囃子や獅子舞で参加者を出迎え、ユネスコ無形文化遺産である和食や、東京湾の夜景とともに、日本文化の奥深さや地域の歴史的背景を体感いただきました。参加者からは、「日本らしさが凝縮された印象深い体験だった」との声が多く寄せられました。
 最終日には、市民公開講座および小学生向けの科学ワークショップが開催されました。市民公開講座では、地元・千葉大学ならびに株式会社ウェザーニューズの第一線で活躍する研究者・実務家が登壇し、「電磁気で地震を予測できるのか」「天気予報を支える電磁波技術」をテーマに講演しました。先端科学を市民にわかりやすく紹介する貴重な機会となり、地域住民との交流や次世代育成につながる社会的レガシーの創出にも寄与しました。
 大会委員長を務めた中央大学・小林一哉名誉教授(JNTO MICEアンバサダー)は、「千葉の高い利便性と、行政・関係機関・市民が一体となった温かいホスピタリティが、国際会議の成功を力強く支えた」と総括しています。

 本大会は、会場規模や空港からのアクセスといったハード面の優位性に加え、千葉県・千葉市による支援、ちば国際コンベンションビューローを中心とした関係機関の緊密な連携、学会関係者、賛助会員の皆様、運営関係者、さらには一般市民ボランティアの協力など、多くの関係者の尽力により無事に終えることができました。
 PIERS 2025 Chibaの実績は、千葉が世界に誇るMICE都市であることを改めて示すとともに、官民が連携した国際会議開催モデルとして、今後の国際会議誘致に向けた重要な成果となりました。